【B2クラブ紹介 vol.9】市民とクラブとの一体感をさらに強める~仙台89ERS
野球、サッカー、バスケットのプロスポーツチームが本拠地に置く宮城県仙台市。この地で2005年に始動したのが仙台89ERSだ。
クラブ名にある「89」を1989年に市制100周年を迎えた仙台市のはじまりを象徴する数字と捉え、クラブ創設にあたり市民とクラブが一体感を持てるようにと願いを込め、89ERS(エイティナイナーズ)と名付けた。東日本大震災から10年を迎えた昨季は、『NINERS HOOP』という活動を開始。震災当時、解散の危機に陥ったクラブを支えてくれたファンへ感謝を伝えるため、仙台市以外(名取市、塩竈市、白石市、加美町、登米市、南三陸町)でも試合を開催した。
B.LEAGUE開幕時はB1・東地区に所属した仙台だが、初年度に降格するとその後はB2での戦いが続いている。この状況を打破すべく、今季は2018-19シーズンから指揮を執った桶谷大ヘッドコーチから藤田弘輝ヘッドコーチへとバトンタッチ。B.LEAGUE初年度以来のB1返り咲きは、琉球ゴールデンキングス時代に2季連続B1・西地区優勝を果たした経験もある若き指揮官に託された。2011年の東日本大震災をきっかけに発足したクラブがある。福島県郡山市を拠点とする福島ファイヤーボンズだ。2013年に「福島県を元気に」を旗印に立ち上がったクラブは、絆・結束を意味するBonds(ボンズ)をクラブ名に採用。地元地域との絆を大事にし、最後まで福島県の代表として戦い抜くことを県民に約束した。
震災から10年目を迎えた昨シーズンは、B2・東地区6位でレギュラーシーズンを終了。初のB2プレーオフ進出とはならなかったものの、クラブは2021-22シーズンにおけるB1ライセンスの交付を受けるなど、B1昇格へ向け着実に組織力を強化している。
今季の戦力も豊富であり、キャプテンの菅野翔太を筆頭にB1経験者が6名在籍。213cmを誇るジェイソン・ウォッシュバーンや日本代表経験者の市岡ショーン、地元出身の水野幹太は期待の若手として先発を担う。『誇れる福島』をつくるというミッションを達成するためにも、“勝負の年”とも言える2021-22シーズンにB1昇格を果たしたい。