【SPECIAL COLUMN】B.LEAGUEの精鋭たちとホーバス新HCがアジアの強国・中国に挑む
女子日本代表をオリンピック銀メダルへ導いたトム・ホーバスヘッドコーチのもと、男子日本代表は新たなスタートを切った。
その初陣となるのは、11月27日、28日にゼビオアリーナ仙台で行われる「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window1。中国との2連戦へ向け発表された24名の候補選手(予備登録メンバー)のうち、今夏の東京オリンピックを経験したメンバーは5人のみ。B.LEAGUEの精鋭で構成された新生日本代表は新鮮な顔ぶれとなった。
女子日本代表を日本バスケットボール界初のオリンピックでの銀メダルへ導いたホーバスHCは、「プレースタイルは女子(日本代表)と一緒です。あのバスケットは男子にもぴったりフィットすると思います」と、19日のオンライン会見で方針を明かした。新指揮官が掲げる日本の戦術は、終始早いペースで試合を進めるトランジションバスケと高確率の3Pシュートだ。
今回選出した富樫勇樹(千葉ジェッツ)、藤井祐眞(川崎ブレイブサンダース)、齋藤拓実(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)ら6人のポイントガード陣についても「サイズアップより選手たちのポイントカードとしての技術、速さ、ゲームメイクの力。マイナス面よりプラス面が絶対に大きい」と、ホーバスHCは自信をのぞかせる。
また、24名中12名を占めたシューティングガードまたはスモールフォワード登録の選手たちへは「コンペ(競争)の意識が高い。(直前合宿中に)誰がステップアップできるかだと思っています」と一層のアピールを促す。しかし、一人ひとりのポテンシャルの高さは十分に評価しており、「思っていたよりディフェンスがいい」と初のトップカテゴリーの代表候補に選ばれた原修太(千葉)について話せば、191センチの今村佳太(琉球ゴールデンキングス)に関しては「あのサイズでシュート力がある。ドライブもできるしディフェンスもいいと思っている」とコメントした。
B2から唯一選出されたのは、帰化選手枠のエヴァンス ルーク。同選手はファイティングイーグルス名古屋でプレーし、11月22日現在、1試合平均11.9得点5.9リバウンド記録中。その活躍ぶりがホーバスHCの目に留まったようだ。
「エヴァンスは今、すごく頑張っている。身長(203センチ)は少し小さいですが、3Pシュートもあるし、彼は本当に真面目な選手です。練習が終わってからもシューティングをしたり、他のチームメートとコミュニケーションを取ったりしているので、戦力になると思います」
最終メンバーとして選ばれるのは12名。男子代表を指揮して間もないホーバスHCにとって、これからの絞り込みは一層頭を悩ますことだろう。だが、どの選手がコートに立とうとも「勝利」という目標は変わらない。国内組で挑む中国戦は、B.LEAGUEの力をアジアへ見せつける試合でもある。
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