2023/04/12B.HOPE STORY#024

「より良い未来へ」
~選手たちが社会的責任活動に込める想い~

アルバルク東京はファンや地域の方々への感謝の気持ちとして社会的責任プロジェクト「ALVARK Will」を推進し、様々な活動を実施しています。同クラブでは、所属選手たちが主体的に取り組む姿が非常に印象的です。

本インタビューでは、「ピンクリボン活動」を推進する#10 ザック・バランスキー選手と「オレンジリボン活動」を推進する#9 安藤周人選手にお話を伺いました。

※前編の記事はこちら:https://www.bleague.jp/b-hope/hope-story/story_detail/id=258457

#10 ザック・バランスキー選手

#9 安藤周人選手

『自分の周りの女性たちを大切にしたい』その想いを行動に

ザック選手は毎年10月になるとピンクのバッシュを履いて試合に臨みます。このピンクリボン活動は乳がん検診の重要性を伝える啓蒙活動。これまでにチャリティーグッズの販売と寄付、ホームゲームブースでの出展などを通して啓蒙活動を実施しています。

ーーピンクリボン活動を始めたきっかけを教えてください。

ザック選手「小さい頃アメリカに住んでいたときに、NBA選手やアメフト選手がピンク色のシューズを履いているのを見たのがきっかけでした。最初はただ派手な靴を履いてるなという印象でしたが、興味を持って調べてピンクリボン活動を知っていく中で、自分もプロになったら『社会貢献活動をしたい、自分の周りの女性たちを大切にしたい』という想いを持つようになりました。」

ーーB.LEAGUEは女性ファンも多いですね。

ザック選手「女性ファンの方々に支えられているとすごく感じますね。色んな所で本当に盛り上げていただいていると思います。とても力をもらっていますし、『自分の周りの女性を大切にしたい』という想いを言葉で伝えるのは恥ずかしいですけど、行動で見せることで伝えていけたらと思っています。」

ーー5年目となるピンクリボン活動。今シーズンはチームメイトもピンクのバッシュを履いていましたね。

ザック選手「これまでも一緒にピンクのバッシュを履いてくれるチームメイトはいましたが、これほどの人数が履いてくれたのは今シーズンが初めてで、安藤周人選手が『俺も履きたいです!』『皆で履きましょうよ!』と積極的に声かけてくれたおかげで実現できました。」

#2藤永佳昭選手

#8 吉井裕鷹選手

#9 安藤周人選手

#24 田中大貴選手

#75 小酒部泰暉選手

 

 

小さなことを続けて大きく広がった輪

ーー活動を続けている中で、周囲の反応はどう感じていますか。

ザック選手「最初は一人でも多くの人に伝えたいという想いで始めた活動が、チームメイトが一緒にピンクのバッシュを履いてくれたり、クラブもホームゲーム会場に専用ブースを設置してくれたり、サポートしてくれる人が増えたおかげで『素晴らしい活動だね』と言っていただけることが増えました。
活動初年度は『可愛い靴だね』とか『ピンクのバッシュ珍しいね』といった声が多かったのですが、意図を伝えていくうちに活動の意味を理解してくれる人も増えました。乳がんを経験された方からDMで『ありがとうございます』というメッセージをもらうこともあり、多くの方々の協力で毎年活動が広がっています。続けてきて良かったなと本当に感じています。」

ーー毎年継続するということも非常に大事なんですね。

ザック選手「本当にそうですね。ピンクのバッシュを履くという小さいことから始まったのですが、何シーズンも継続していくことでクラブからも『素敵な活動を一緒に広めたい』と言っていただき、多くの人に伝えられているなと実感しています。」

ーー活動を通して新たな発見はありましたか。

ザック選手「当初、乳がんは女性だけの問題だと考えていましたが、男性も罹患する可能性がある病気ということを知って驚きましたし、早期発見が如何に大事なのかということや自分の身体を守る大切さにも気づかされました。あとは、正直ここまで大きな活動になるとは思っていませんでしたし、本当に多くの方々から『ありがとうございます』とメッセージをいただき、まさかここまで感謝されるとは思っていなかったので驚きました。」

ホームゲーム会場のブースで、はザック選手の歴代ピンクバッシュと写真が展示された

文京区役所のひろばにあるマルチビジョンには啓発動画が放映された

※2022-23シーズンのピンクリボン活動詳細はこちら:https://www.alvark-tokyo.jp/news/detail/id=17370

 

『絶対に、ただのバスケ選手で終わりたくない』

ーー選手が社会的責任活動に主体的に取り組む意義は何だと考えていますか。

ザック選手「プロ選手というのはファンの皆さまやパートナーの方々など、本当に多くの方にサポートしていただけるからこそ成り立つものだと思っています。そう考えたときに『絶対に、ただのバスケ選手で終わりたくない』、これだけ支えてもらっている分、何かしら恩返しをしたいと考えています。ただそれは、誰かに言われて活動するものでもなく、自分が興味を持つものを探して発信していくことが大事だと思います。」

ーー今後の活動で大事にしていきたいことはありますか。

ザック選手「本当に1人でも多くの人に伝えたい気持ちは変わらない一方で、この活動をただ大きくしたいわけではありません。ただただクラブやリーグから言われたことをやるだけでは活動の本当の意味も変わってくると思いますし、安藤周人選手が『自分もピンクのバッシュを履きたい!』と言ったように自発的に動いてくれる、そういった人たちを増やしていけるように活動を続けていきたいです。」

 

活動するからには全力で取り組みたい。安藤選手が取り組んだオレンジリボン活動。

オレンジリボンは子ども虐待防止のシンボルマークとして、 子ども虐待をなくすことを呼びかける市民運動です。

ーーオレンジリボン活動を始めたきっかけを教えてください。

安藤選手「クラブは昨シーズンもオレンジリボン活動をやっていたのですが、今シーズンはチームの中の日本人選手で子どもがいるのは僕だけだったということもあり、声をかけていただいたのがきっかけでした。活動するなら色んな方々に知っていただきたいので全面的に取り組んでいきたいと伝えました。」

ーー具体的にはどういった活動をされましたか。

安藤選手「出来ればオレンジ色のバッシュを履いてプレーしたかったのですが、足に合うものが無かったので、知人からオレンジ色のリストバンドを準備いただき、活動月間の11月中はずっと着けていました。少しでも多くの人の目に止まるように、クラブ内で子どもがいるスタッフにも協力していただき、リストバンドを付けてもらいました。
あとは子どもたちが試合前にアップの様子を見学できるプラクティスキッズツアーの中で、応援している選手として僕の名前を挙げてくれた子どもにはリストバンドを渡していました。子どもたちから親にリストバンドが渡れば、少しでも活動を知っていただけるきっかけにもなると考えていました。」

試合会場ではオレンジリボンマスクやパンフレットが配布された

チームスタッフもオレンジリボンを着用して試合に臨んだ

 

選手全員が協力的なアルバルク東京。感謝の気持ちが活動源。

ーー活動を実施して感じていることはありますか。

安藤選手「まだ今シーズンの1回しか活動をしていないので、もっと広めていくために、オレンジ色の物を身に着けるのもそうですけど、より多くの方の目に止まるような何かをしないといけないと感じました。どうしたら伝わっていくのか僕自身が考えさせてもらった一ヶ月だったと思います。また、活動の主旨とは少しずれますが、コロナ禍から少しずつ制限が少なくなり、リストバンドを渡すことで子どもたちと少しでもコミュニケーションを取れる場ができたことも良かっです。」

ーー活動に対してチームメイトや周囲の反応はどうでしたか。ザック選手も、安藤選手がピンクリボン活動に積極的に参加してくれたと仰っていました。

安藤選手「そうですね。せっかくこのような活動をするならば本格的にやりたいと思いますし、僕たち一人ひとりが発信源でもあるので、少しでも力になれるなら僕は積極的に協力したいと考え、皆に『ピンクのバッシュ履こう!』と言っていました(笑)。ザック選手のピンクリボン活動の時もそうでしたが、このチームは選手全員がとても協力的なので、来年はチームの皆にオレンジリボンの協力もお願いしようと考えています。」

前回実施したクラブスタッフへのインタビューで、「フロントだけでなくチームや選手も一丸となって推進することが大事」と話がありました。安藤選手はどう考えていますか。

安藤選手「フロントスタッフの方々は、どうやったらお客さんが来てくれるか、どうやったらお客さんが快適な環境で観戦ができるかを考えて僕たちに最高のステージを用意してくれます。僕たちは本当に感謝しなければいけないですし、自分に協力できることは積極的にやるべきだと思っています。」

 

「選手一人ひとりが発信源」些細なことでも発信すれば広がる

ーープロバスケットボール選⼿がこのようなオフコートの活動に主体的に取り組む意義は何だと思いますか。

安藤選手「僕ら選手は影響力を持っている発信源だと思うので、その力を使ってオフコートの活動を発信していくことが大事だと思います。本当に些細なことでも何千人、何万人と広がっていくので、もっと発信する選手が増えていけば良いなと思います。」

ーー今後の活動において、どんな想いをもって取り組みたいですか。

安藤選手「僕自身もまだまだこれからだと思いますが、活動に取り組んでみて初めて知れたことや、様々な発見があった一ヶ月でした。今後もよりチームと協力して実施していけたらと思います。」

クラブが選手とスタッフで一丸となって推進する「ALVARK Will」には、選手やスタッフの様々な想いが込められています。
今後もアルバルク東京の活動に、是非ご注目ください。

※「ALVARK Will」については特設サイトをご覧ください。https://www.alvark-tokyo.jp/alvarkwill/