2024/07/31B.HOPE ACTION#069

JBPA ASSIST 2024 ~バスケ選手があなたの力に~(前編)

 

バスケ選手が全国各地で活動を実施

 

日本バスケットボール選手会(以下、JBPA)では設立以来、被災地の子どもたちとのふれあいをはじめとする復興支援活動を実施してきました。2020年以降、新型コロナウイルスの影響により、選手が子どもたちと触れあう機会が激減。スポーツの活動や人とのふれあいが制限された 時間を経て、改めて「自分たちを必要としてくれる方々の力になりたい」という思いを強くし、 2022年より 「JBPA ASSIST~バスケ選手があなたの力に~」をスタートしました。

選手会の協力が必要な活動や企画を 全国から一般募集し、選手による審査のもと企画が決定。 今年は7つの企画が実現し、選手が全国各地に夢を叶えるお手伝いに行きました。

※JBPA ASSISTの特設サイトはこちら
※本活動は 、2024 年1月に実施された「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」の「B.Hope × 選手会 チャリティーオークション」で集まった資金を活用するとともに、B.LEAGUE Hopeも一部活動に協力させていただきました。
※合計7企画のうち、本レポートでは6月に開催された3企画をご紹介いたします。

高等特別支援学校の生徒と交流

1つ目の企画は6月11日、埼玉県戸田市にある戸田かけはし高等特別支援学校で行われました。
同学校では現在、部活動に参加する生徒が30名程おり、日々バスケットボールやサッカーなどに力を入れているそうです。運動が好きな生徒が多いものの、様々な事情からプロレベルの試合観戦の機会はほとんどない状況でした。そのような中、プロバスケットボール選手との交流や直接指導を受け、「よりバスケットボールを好きになってほしい」「特別支援学校卒業後の余暇活動にも繋げてほしい」という教論の方の想いから企画実現に至りました。

本企画には長谷川暢選手(秋田ノーザンハピネッツ所属)、浅井修伍選手(茨城ロボッツ所属)、水野菜穂選手(羽田ヴィッキーズ所属)の3選手が参加し、約30名の高等部学生と交流しました。

左から浅井選手、水野選手、長谷川選手 ©︎JBPA

参加した生徒たちはプロ選手に会うことが初めてということもあり、選手が2階から体育館へと向かうシーンから「背が大きい!」「すごーい!」など元気のある声が体育館へ響きました。
全員でアップを行った後、各選手が得意なプレーを披露することになり、長谷川選手は生徒との1on1を、水野選手は華麗に3ポイントシュートを決めました。浅井選手は生徒からのリクエストでダンクシュートを披露。目の前で迫力のあるダンクシュートを見て、大きな歓声が上がりました。

生徒とランニングをする浅井選手 ©︎JBPA

生徒とアップをする水野選手 ©︎JBPA

シュート練習の時間では、生徒は選手からパスをもらってレイアップシュートやジャンプシュートを実施。選手から直接シュートの打ち方も教わりました。最後は生徒4名と選手1名でチームを作り、3分間のミニゲームを実施しました。シュートが決まると生徒たちは大喜びで選手とハイタッチをし、選手がシュートを決めると生徒たちから大きな歓声があがりました。ミニゲームの最後には、選手チームと生徒チームでの対決も実施し大変盛り上がりました。

シュート練習でパスをする長谷川選手 ©︎JBPA

ミニゲーム中に生徒とハイタッチをする浅井選手 ©︎JBPA

選手対生徒のミニゲームも実施 ©︎JBPA

ミニゲーム中にディフェンスをする水野選手 ©︎JBPA

閉会式では選手全員よりサインボールをサプライズで贈呈しました。また生徒たちからも、手作りの木工品と手作りのお菓子が選手たちへ贈られ、温かい交流イベントとなりました。

生徒たちからのサプライズシーン ©︎JBPA

生徒たちが手作りで準備したお菓子と木工品 ©︎JBPA

【参加選手コメント】
長谷川 暢 選手
「今回、JBPA ASSISTの活動に初めて参加させてもらいました。B.LEAGUEやW LEAGUEの他の選手たちとコミュニケーションを取る場所にもなりましたし、特別支援学校の子どもたちも凄く喜んでくれたのでやりがいを感じました。 まだまだこのようなイベントを必要としている方々がいると思うので、B.LEAGUE全体として盛り上がることはもちろんですが、色んな方々に知っていただく必要性も感じました。この取り組みを広げていきながら、他にもプロ選手に会いたい子どもたちや必要としてくれる地域があると思うので、その際は周りの選手にも声をかけながら協力していきたいです」

水野 菜穂 選手
「今回参加しようと思ったきっかけは、私の地元である埼玉県に何か還元したいという想いからでした。今までに何度も子どもたちに対するクリニックや交流会には参加してきましたが、特別支援学校に行くのは初めてだったので、接し方などに不安がありました。しかし体育館で生徒の皆さんにお会いした途端ものすごく喜んでくれて、とても元気よく、楽しんでいる姿を見て、そんな不安は一瞬でなくなりました。本当に楽しい時間を過ごすことが出来ました。こうしてプロの選手として子どもたちに元気や希望を与えられたことも嬉しいですし、W LEAGUEの選手とB.LEAGUEの選手と、こうして手を取り合って一緒になにかをできたこともとても嬉しく思います。今後も機会があれば、積極的に参加していきたいと思いました」

集合写真 ©︎JBPA

東京の離島 八丈島でクリニックを開催

2つ目の企画は、東京都から約300キロ離れた離島 八丈島からの応募でした。
離島という特殊な環境で人口も減っており、現地のバスケットボールチームは試合に勝ち進むと遠征費の負担なども課題といいます。
このような環境においてもバスケットボールを盛り上げていきたいとの想いを持つ指導者からのリクエストをいただき、本企画には平岩玄選手(アルバルク東京)が参加しました。

今回は小学生約30名と中高生15名が参加し、小学生と中高生に分かれてクリニックを開催。 平岩選手はシュートなどのスキル指導を中心に行い、ミニゲームも実施しました。 フリースロー大会では勝ち残った子どもへ、平岩選手が所属するアルバルク東京のマスコット「ルーク」のぬいぐるみが贈られました。

平岩選手のアドバイスを真剣に聞く子どもたち ©︎JBPA

シュートの指導をする平岩選手 ©︎JBPA

鬼ごっこをする三ツ井選手子どもとミニゲームをする平岩選手 ©︎JBPA

フリースロー対決の様子 ©︎JBPA

集合写真(小学生) ©︎JBPA

集合写真(中学生) ©︎JBPA

千葉県南房総市でクリニックを開催

3つ目の企画は千葉県南房総市での活動です。
南房総市は、千葉県を中心に襲った2019年台風15号で甚大な被害を受けた町の一つです。
当時は観測史上最大クラスとされた台風で、千葉県を中心に7万棟を超える住家被害が発生しました。(令和元年 消防白書より
今回応募をいただいたミニバスチームも、台風により体育館の被害に遭われました。
さらに少子化による競技者の減少や、コロナ禍で運動する機会がなかった年もある中、チームで頑張ってバスケットボールを続け練習に打ち込んでいます。練習にひたむきに取り組む子どもたちが、もっと元気になってほしいと応募をされました。

本企画には、赤穂雷太選手(秋田ノーザンハピネッツ所属)、今野紀花選手(デンソーアイリス所属)、薮未奈海選手(デンソーアイリス所属)、平賀真帆選手(デンソーアイリス所属)の4選手が現地を訪れました。

左から赤穂選手、薮未選手、今野選手 ©︎JBPA

クリニックには小学生25名が参加。前半はパスやドリブル、シュートなどのスキル練習が行われた後、選手と子どもたちで混合チームを作りミニゲームなどを行いました。

パス練習の様子 ©︎JBPA

ドリブル練習の様子 ©︎JBPA

シュート指導を行う赤穂選手 ©︎JBPA

シュート練習の様子 ©︎JBPA

選手と子どもたちで混合チームを作りミニゲーム ©︎JBPA

ミニゲームの様子 ©︎JBPA

ミニゲームの様子 ©︎JBPA

集合写真 ©︎JBPA

【参加選手コメント】
赤穂雷太選手
「今回、選手会の活動に初めて参加させていただいて小学生からこちらが逆に元気をもらいました。 もっとバスケットボールが普及してくれると嬉しいですし、引き続きこの活動を続けていきたいと思います」

今野紀花選手
「少し緊張する子ども達を目の前にした時、上達する喜びや、一緒にスポーツをする楽しさをただただ感じて欲しいなと、私自身がスポーツの根底にある価値を改めて感じられる機会となりました。富浦ミニバスの皆さんにも楽しんでもらえて良かったです!」