センサリールーム supported by 富士通
「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」において、B.Hopeでは、沖縄県の離島が持つ遠隔性による経験の格差、また様々な背景からあらゆる体験の格差が生じている課題に目を向け、「子どもたちが未来に繋がる経験をする」「夢を持って生活していける体験をする」といった機会を提供することを目指した活動を実施いたしました。
実施背景:安心できる空間でスポーツ観戦ができる環境を
大きな音や強い光が苦痛で人混みが苦手といった、五感への刺激に敏感な感覚過敏の特性のある方々は、スポーツ観戦を含め、日常のあらゆる行動を制限されてしまうことがあります。このような特性のある子どもたちが安心して過ごすことができ、スポーツ観戦を楽しむことができる「センサリールーム」を沖縄アリーナに設置しました。
センサリールームは、明るい光や大きな音、人混みが苦手な方が、ブラインドで室内の照度を調整し、静かな環境でスポーツ観戦等を楽しむ部屋です。誰もがスポーツ観戦を楽しめる機会・空間をつくると共に、共生社会への理解促進を目指しました。
実施内容
【開催日】2024年1月14日(日)
【場所】沖縄アリーナ
【協力】コス・インターナショナル
「B.LEAGUE ALL-STAR GAME WEEKEND 2024 IN OKINAWA」のDAY3に、沖縄県立美咲特別支援学校のお子さん (中3男子・小4男子)と保護者をご招待しました。二人は、大きな音や他人のくしゃみなどに敏感に反応してしまう特性があり、日頃から場所によってはイヤーマフを使って過ごしています。外出時は周りからの刺激が多くあるため、普段から外出を控えるなど、行動に制限がありました。
センサリールームでは、こうした感覚過敏の方にも安心して試合観戦を楽しんでいただけるように配慮したお部屋になっています。
ガラス張りの空間になっており、ブラインドの設置もありますが、完全に遮音、遮光ができるわけではありません。そこで、有限会社コス・インターナショナル様にご協力いただき、感覚刺激グッズや、カームダウン用のテントを設置いたしました。
スイートルームに、リラックス効果のあるテントや、感覚刺激グッズを設置
感覚刺激グッズとは、視覚、触覚を刺激し、楽しんだり、集中したり、落ち着いたりできるようなグッズです。
コス・インターナショナル様にグッズの使い方をお伺いすると、「子どもたちは 突然の大きな音や強い光に苦痛や不安を感じたり、興奮してしまったりすることがあります。そういった時に、感覚刺激グッズでご自分の感覚ニーズが満たされると、心身の安定につながります。そうやって自分を取り戻して、また試合観戦に戻れるんです。」とお話されていました。おもちゃで遊ぶことが目的ではなく、あくまでおもちゃは観戦を楽しむためのサポート役、ということを教えていただきました。
色々な感覚刺激グッズを試す参加者
気に入ったおもちゃを触りながら、観戦
実際に参加者は色々な感覚刺激グッズを試して、お気に入りのグッズを探していました。お気に入りのグッズが決まると、それを触りながら、試合観戦を楽しむ姿が見られました。
今村選手とクーリー選手にサインをしてもらう参加者
今村選手と参加者、教頭先生で記念撮影
試合開始前の時間に、琉球ゴールデンキングスの今村佳太選手とジャック・クーリー選手がセンサリールームを訪問しました。ユニフォームにサインをしてもらったり、一緒に記念撮影をしたりして、楽しい時間を過ごしました。
参加者・関係者の声
ご参加の保護者からは、「普段外出するのをためらうこともありました。今日は周りを気にせず安心して参加できました。」とのお声をいただき、参加者も「また明日もここ!(に来たい)」と話してくれました。
沖縄県立美咲特別支援学校の玉城教頭は、「正直、最初は途中で帰るというと思ったし、不安でした。ですが、あんなに長い時間楽しめたのには驚きました。子どもたちの新たな一面を見ることができました。社会での行動に色々と制限がある子どもたちは活動範囲がどうしても狭くなります。共生社会に向けた取り組みはありがたいですし、親子で一緒に楽しめる場を作ってくださって、感謝です。」とお話してくださいました。
B.LEAGUE Hopeでは、今後も誰もがスポーツ観戦にアクセスできるような環境づくりを推進し、バスケットボールを通じた共生社会の実現を目指します。