2023/02/24B.HOPE ACTION#050

B.Hope × スペシャルオリンピックス日本「Challenge with ALL」沖縄連携

2022年12月18日、SON・沖縄のアスリートがプロの試合を生で体験した
提供:沖縄アリーナ

2022年5月、B.Hopeとスペシャルオリンピックス日本(以下、SON)(※)は、全国の各地域におけるインクルージョン社会の実現に向けた共同プロジェクト「Challenge with ALL」を発表しました。B.LEAGUEのクラブとSONの地区組織が、地元市民や企業、行政を巻き込みながら知的障がい者への理解を深め、誰もが輝ける社会を目指す本活動。2022年12月、沖縄での連携がスタートしました。

(※)スペシャルオリンピックス日本は、知的障がいのある人たちのスポーツを通じた挑戦や社会参画を支援し、障がいのある人もない人も楽しめる「ユニファイドスポーツ」の普及に取り組む国際的スポーツ組織の国内本部。

「Challenge with ALL」特設サイトはこちら:https://www.bleague.jp/b-hope_son/

沖縄アリーナで連携協定の締結式を実施。SOアスリートが伝える「バスケが大好き」という想い

 

SON・沖縄では、新型コロナウイルス感染症が流行して以来、活動場所であった県内学校の体育館利用が制限され、これまで実施していたバスケットボールの練習が十分にできない状況下にありました。障がいをもつ方々にとって社会参画の場が失われることは、挑戦や成長などそれぞれが持つ可能性を広げる機会の減少に繋がります。

このような状況の中、「沖縄をもっと元気に!」の理念の元、日頃から地域社会への貢献活動を行う琉球ゴールデンキングスを運営する沖縄バスケットボール株式会社と、沖縄アリーナを活用したイベント等を開催し地域活性化に取り組む沖縄アリーナ株式会社が、SON・沖縄の活動サポート等を通して共生社会の構築を目指した活動がスタートしました。

2022年12月10日、この日沖縄アリーナでは琉球ゴールデンキングスのホームゲームが開催され、試合開始前に連携協定の締結式が行われました。

SON・沖縄アスリートを代表し登壇した、バスケットボール競技キャプテンの波田間和也さんは、コロナ禍で活動ができない環境下でも家の前などでひたすら個人練習を続け、2022年11月に広島で開催された全国大会(2022年第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島)の個人競技種目の出場を果たされました。

波田間さんはこの日、多くのバスケットボールファンが見つめる中、「キングスの皆さん、今日はありがとうございます。僕はバスケットボールが大好きです。これからもバスケットボールの練習を楽しく頑張ります」と想いのこもった挨拶をされました。

本連携活動には沖縄市が後援につき、締結式には桑江朝千夫市長も登壇した

“楽しむ” “喜ぶ”といった感情は皆同じ。バスケを通じて感情を共に分かち合った参加者

連携締結式から1ヶ月後の2023年1月21日、沖縄アリーナにて「沖縄アリーナ サタデースポーツ教室」が開催されました。

スポーツ教室には、SOアスリート(※)やSOのコーチ、ボランティアの方々、そして琉球ゴールデンキングスU18ヘッドコーチの与那嶺翼コーチら5名のコーチたちが参加。身体と頭の両方を使うウォーミングアップから始まり、クロスオーバーなどのスキル練習、最後には5対5のミニゲームが行われました。

(※)SOアスリートとは、スポーツ活動に参加する知的障がいのある人たちのこと

スポーツ教室が行われたサブアリーナは、普段琉球ゴールデンキングスの選手が練習で汗を流す場所

キャプテン波田間さんの掛け声でハドルを組む

フロントチェンジの練習をするSOアスリート

参加者で混合チームをつくり5対5のミニゲームを実施

開会式では緊張の様子であったSOアスリートも、スポーツ教室が始まると、コーチたちとの積極的なコミュニケーションが増え、笑顔で溢れた沖縄アリーナ。真剣に取り組む姿や、一緒に喜び楽しむ姿が印象的でした。

参加したSOアスリートたちは「初めて選手と同じアリーナで練習をして楽しかった」「バスケットボールが楽しかった。これからも練習に行けるように頑張りたい」と喜びの声が上がりました。

この日参加された SONバスケットボール競技トレーナーの上運天賢洋さんは「SOアスリートたちは、様々な経験ができる機会や、社会参画の場、賞賛を受けられる機会が少ない。でも、このような機会や経験で夢を見ることができる。夢を持つことができる。そして、スポーツを通して喜びを分かち合うことに差はない、皆が平等です」と、障がいのある人にとって、社会参画の場が非常に貴重な機会であるとお話されました。

また、指導にあたった与那嶺コーチが「シュートが入ったら喜んだり、外れたら悔しがったり、色々な感情を一緒に分かち合えることがスポーツの良さだと思います」と話すように、障がいのある人もない人も共に楽しみ学ぶ “インクルージョン社会”が凝縮されたスポーツ教室となりました。

今後も、本活動にぜひご注目ください。

参加者コメント

【沖縄アリーナ株式会社 片野竜三さん】
「SOアスリートの皆さんにはこれからも更にバスケットボールを楽しんでいただきたいです。沖縄アリーナは皆さんを楽しませるための建物です。今後も皆さんのために連携して活動を実施していきたいと思っております」

【SON・沖縄事務局長 根路銘敦さん】
「コーチの皆さんが、練習が始まってすぐに、SOアスリートたちの理解度、技能、技量を理解いただき、様々な練習方法を工夫していただきました。SOアスリートたち全員が、各々の集中力、チャレンジする気持ちを保ちながら練習することができました」

【SONバスケットボール競技トレーナー 上運天賢洋さん】
「SOアスリート一人一人に理解の差がある中、丁寧に指導してくださり、『みんなで一緒にやっていこう!』という温かい気持ちがコーチの皆さんから伝わりました。たった1時間の練習で一人一人の成長が見え本当に有難かったです」