2022/08/03B.HOPE ACTION#046

JBPA ASSIST ~バスケ選手があなたの力に~(前編)

 

子どもたちに夢を バスケ選手が全国各地で活動を実施

B1~B3でプレーする選手が所属する日本バスケットボール選手会(以下「JBPA」)。
選手たち自身がバスケ界の将来を考え、「日本のバスケをもっとメジャーにしたい」という思いで2013年に発足し、チャリティーや復興支援などを中心に活動を実施してきました。
2020年以降、新型コロナウイルスの影響により、選手が子どもたちと触れ合う活動が出来ずにいましたが、スポーツの活動や人との触れ合いが制限された時間を経て、改めて「自分たちを必要としてくれる方々の力になりたい」という思いを強くし、新たな活動をスタートすることにしました。

今年はJBPAの協力が必要とされる企画を一般公募。そのなかから選定された7件の企画実現のために、選手たちが6月~7月にかけてそれぞれ全国各地へ赴き、またはオンラインで活動をしました。
企画の選定にあたっては、会長の田口成浩選手、副会長の田渡凌選手を中心に、各クラブの代表選手で会議を行い、「この2年間くらいイベントなどの活動が制約されていたので、今回はオンラインより現地へ行くことを優先したい」「被災などによる課題を抱える地域に限らず、必要とされる場になるべく多く足を運んで喜んでもらいたい」などの議論が交わされました。
本企画は、JBPAが社会課題やバスケの普及に取り組む団体や個人の活動を支援するプロジェクト「JBPA ASSIST」の一環として実施するもので、「JBPA ASSIST ~バスケ選手があなたの力に~」と名付けられました。地域に貢献し、次世代を担う子どもたちと触れ合うことを大切にしている、JBPAならではの企画です。

【日本バスケットボール選手会からのコメント】
会長:田口 成浩選手(秋田ノーザンハピネッツ)
プロ選手と関わることで、子どもたちに夢を見つけてほしいと思っています。
必ずしもプロバスケットボール選手になりたいというだけではなく、親御さんなど関わった人たちも含めて夢を感じてもらえたらと思います。

副会長:田渡 凌選手(熊本ヴォルターズ)
今回は応募いただいての活動なので、相手のニーズに応えられるよう、何を求められているかを選手一人一人が考え、対話などもしながら動いていきたいです。

※詳細は「JBPA ASSIST ~バスケ選手があなたの力に~」 特設サイトをご覧ください。
なお、「JBPA ASSIST ~バスケ選手があなたの力に~ 」の活動は 、2022 年4月に実施された「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2022 IN OKINAWA 選手会× B.Hope チャリティーオークション」で集まった資金やJBPA ASSIST チャリティーオークションの売上を活用するとともに、「B.LEAGUE Hope」の協力のもと実施いたしました。
チャリティーオークションの詳細はこちらからご確認ください。 
 

【対応するSDGs】

 

幼児500名の前でプロ選手のプレーを&バスケを始めるきっかけに

 

7企画のトップは、東京都有明の幼稚園からスタートしました。
東京と神奈川を中心に、7園展開されているバディスポーツ幼稚園。
「子どもたちにプロ選手のプレーを間近で見せてあげたい」
「幼少期にバスケットボールに触れてもらうことで興味を持ってもらいたい」という、
幼稚園の先生からの応募により、実現した企画です。
6月19日(土)、バディスポーツ幼稚園有明にて、約500名の年長児が参加する全園対抗のポートボール大会が開催されました。荒谷 裕秀選手(宇都宮ブレックス所属)、野﨑 由之選手(富山グラウ ジーズ所属)、半澤 凌太選手(三遠ネオフェニックス所属)、寺嶋 良選手(広島ドラゴンフライズ所属)、相原 アレクサンダー学(香川ファイブアローズ所属)の5名の選手が参加し、試合観戦や園児たちの前でのデモンストレーション(ダンクやアリウープ等)、サインボールの贈呈を行いました。真剣にプレーをする大勢の子どもたちと、彼らを応援する保護者の方々で会場は熱気に包まれていました。
司会進行を務めた寺嶋選手から、「見たいプレーは?」と聞かれた子どもたちからは「凄いプレー!」「ダンク!」とたくさん声があがり、プロ選手のプレーを間近で見た子どもたちは終始興奮した様子でした。
また、試合観戦中、選手たちと子どもたち が楽しく会話をしながら過ごす様子も見られ、たくさんの子どもたちの笑顔と笑い声で溢れていました。短い時間でしたが、選手たちにとっても貴重な時間となったようです。
 

※子どもたちと触れ合う相原選手(左)と荒谷選手(右)

※司会をする寺嶋選手(左)とダンクをする野﨑選手(右)

※ボールを贈呈後、みんなで記念撮影(撮影時のみマスクを外しています。)

【参加選手コメント】
「とても多くの園児の熱に圧倒されました。ルーズボールに喰らいつく姿は親の気持ちになってみてしまうほど可愛くもあり、一生懸命でした。小さい頃から競争心を持ち、将来有望なスポーツ選手として活躍してほしいと思いました。」(野崎選手)

「幼稚園児が一生懸命にボールを追いかけ、転び、すぐに立ち上がる姿をみて、熱くこみあげてくるものがありました。感動や魅了することにクオリティーなど必要ないのだと感じました。」(寺嶋選手)

「子供達のキラキラした元気な姿や楽しんでスポーツに取り組んでいる姿を見て元気をもらえたと共にたくさんの子供達に少しでもB.LEAUGEやバスケットボールに興味をもってもらえると嬉しいと思いました。」(荒谷選手)
 

被災地のバスケコートで、子どもたちと選手のふれあいを

2011年3月に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌町。
昨年秋、この大槌町にバスケコート「HANAMICHI PARK」がオープンしました。コート完成時には、JBPAとB.Hopeからベンチを寄贈(※)しましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、選手の参加は叶いませんでした。今回は改めて選手たちにこのコートに訪れてもらい、子どもたちと触れ合って欲しいとの希望があり、実施に至りました。
6月25日(土)、地元の小中高生約30名がコートに集まり、田口 成浩選手(秋田ノーザンハピネッツ所属/選手会会長)、平岩 玄選手(アルバルク東京所属)、山内 翼選手(福島ファイヤーボンズ所属)の3名の選手によるクリニックが実施されました。
当日は30度越えの猛暑でしたが、「あと少し!」「頑張れ!」「惜しい!」などの大きな声がコートに響き渡っていました。最初はなかなか声を出せなかった子どもたちも選手たちの声掛けにより、最後には大きな声を出していました。
選手たちが考えたクリニックを実施後、サインボールをかけたフリースロー対決を実施。見事勝利した子どもたちはとても嬉しそうな表情を浮かべていました。

※2021年実施のベンチ寄贈についてはこちらの記事をご確認ください。

6月26日(日)には、岩手県出身の佐々木 響也選手(前・アルティーリ千葉所属)も加わり、4選手が大槌町の城山体育館で開催された「第11回桜木杯」に参加。大人から子どもまで100名を超える参加者と一緒にバスケを楽しみました。
22チームがトーナメント形式で対戦し、選手たちも飛び入り参加。その後、3点先取のノックアウトゲームをサプライズ提案。対戦を希望した21名(3人×7組)の参加者と熱い3x3を繰り広げました。
会場は大勢の参加者の熱気に溢れ、プロ選手との対戦に大いに盛り上がったエキシビションゲームとなりました。
2日間を通じて、多くの現地の方々と触れ合い、選手たちも楽しい時間を過ごすことが出来たようです。
 

※「HANAMICHI PARK」で子どもたちとプレーする選手たち

※フリースロー対決に勝って、サインボールを贈呈された子どもたち

※2021年11月にオープンした際に、B.Hope・選手会から寄贈したベンチと記念撮影

※「桜木杯」に参加し、参加者とプレーする田口選手(右)

※「桜木杯」参加者全員で記念撮影

【参加選手コメント】
「2日間大槌町の方々とご一緒させて頂き、ずっと笑顔だったのが印象的でした!当時大変で辛かったはずなのに明るく話してくださり、そんな姿をみたら自分が小さい事で凹んだりしてる事が本当にバカらしく感じ、本当に明日への活力になりました。桜木杯も楽しみながら勝ちにこだわる姿も印象的で、参加させてもらってバスケを楽しむ事の大切さも改めて感じさせて頂きました。大槌町の方々に感謝です!!本当に充実した2日間でした!!」(田口選手)

「今回のイベントに参加して被災した方々に勇気を届けるつもりでしたが、皆さん温かくて逆に元気付けられました。たくさんの方と話をする機会があり、津波で友達や家族を亡くしている方もいて東日本大震災を絶対に忘れてはいけないと再確認することができました。津波の瓦礫作業を手伝っていた方が提案をして始まったプロジェクトが今では年々人数が増えていて、こうして広がった輪は大切にしないといけないと思いました。僕自身も福島で被災し、たくさんの恐怖や不安を抱きながら生活していたので被災地でのイベントにこれからも積極的に参加したいと心から思いました。岩手県大槌町に行って本当に良かったです!」(山内選手)
 

被災地かつ遠隔地の子どもたちに、プロ選手を生で見せてあげたい

同じく、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市。また、B.LEAGUEの試合開催地までは距離があり、試合もなかなか見ることができない。そんな地域で頑張っているミニバスチームの子どもたちに「プロ選手を目の前で見せてあげたい」。ミニバスの先生から応募を頂き、実施した企画です。
6月27日(月)、中村 浩陸選手(ファインティングイーグルス名古屋所属)と星野 京介選手(滋賀レイクスターズ所属)の2名の選手がこの地を訪れました。
会場である小学校までの行きのタクシーの中で、運転手の方から東日本大震災当時の状況を聞き、想像を遥かに超えるお話で色々考えさせられたと二人は話していました。

当日は約30名のミニバスチームの子どもたちが集まり、中村選手、星野選手から指導を受けました。子どもたちは前日大会に参加していたにも関わらず、疲れている様子を全く見せず、大きな声を出し、選手からの指導を真剣に聞いていました。
約1時間半のクリニック後、最後は選手2名と子どもたち5人による2分の試合を実施。子どもたちは6チームに分かれ、自分たちの出番を今か今かと待ちわびている様子でした。
シュートが決まると子どもたちは大喜びで選手とハイタッチ、また選手がダンクやロングシュートを決めると子どもたちからは大きな歓声が上がっていました。
約1時間半のクリニックと試合の後、最後に選手への質問コーナーとサインボールをかけたじゃんけん大会を実施。「何時に寝ていますか」といった日常生活の質問から、「どうやったらバスケが上手くなりますか」など様々な質問が出ました。

初めて被災地を訪れた選手たちは、子どもたちの笑顔に自分たちも勇気づけられた企画になったようです。
 

※子どもたちとプレーする星野選手

※子どもたち5名と選手2名による、試合を実施

※サインボールをゲットした子どもと記念撮影する、星野選手(左)と中村選手(右)

【参加選手コメント】
初めて被災地に行き当時の話をタクシーの運転手さんなどに聞き想像を遥かに超えた話でとても考えさせられました。その中でも小学生達が笑顔で楽しくバスケをする姿を見て更に頑張らなくちゃいけないなと思いました。自分達のプレーなどを見てB.LEAGUEの選手になりたいだとかそう言った夢を持ってくれたらすごく嬉しいなと思います。その子達のためにも1日1日を無駄にせず練習などに取り組んでいきたいなと思いました。(星野選手・中村選手)

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